ラズパイでできることの1つとして、Raspberry Piを利用したファイルサーバー(NAS)の作成方法について考察してみます。Raspberry Piで利用できるファイルサーバーはLinux系がインストールできるためsambaが有力です。このsambaに加えアップロード環境や暗号化対策を加えたサーバー機能をパッケージ化したOpenMediaVaultというソフトを紹介します。
管理人本記事の読者層は以下の方を想定しています。
- ラズパイでできることを知りたい初心者の方
- Raspberry Piを利用したファイルサーバー(NAS)を構築したい方
- sambaとOpenMediaVaultの違いを知りたい方
ラズパイでできること
結論から言うと、ラズパイ(Raspberry Pi)は、教育用に作られた小型のコンピューターで、キーボードやディスプレイをつなげば、パソコンと同じような使い方ができます。総務省のプログラミング教材の資料では、できることとして、インターネット検索、ゲーム、表計算などのオフィスソフト、プログラミングが挙げられています。
| できること | 内容 |
|---|---|
| パソコンとして使う | インターネット検索、ゲーム、表計算などのオフィスソフト |
| プログラミングを学ぶ | ScratchやMinecraft Pi(マインクラフトのラズベリーパイ版)が最初からインストールされた環境で学べます([文部科学省の紹介ページ](https://www.mext.go.jp/miraino_manabi/content/396.html)より) |
| 電子工作 | 汎用入出力のGPIOを使って、外部の機器をつなげます |
| ファイルサーバー(NAS) | 本記事で扱います |
ほかにも、メディアセンターやホームオートメーションの中心、レトロゲーム機として使えると、販売店の製品紹介で説明されています。
使い道が思いつかない場合や、初心者の方は、目的を1つに絞って始めると進めやすくなります。本記事では、その1つとして、ファイルサーバー(NAS)化を扱います。
Raspberry Piをファイルサーバーにするメリット
NAS (Network Attached Storage) サーバーというと、以下でも紹介したQNAPのNASサーバーが有名ですが、個人で購入するにはいささか高価という印象です。


また、一般のサーバーであればowncloudやNextCloudなどもネットワークストレージサーバーとして有用です。




ここはもう少し手軽なNASサーバーを手に入れる方法を模索してみました。
1つにRaspberry Pi 4をNASサーバーとして構築する方法があります。搭載CPUである「Broadcom BCM2711」はQuad Core搭載の64bit CPUを搭載しています。小型である強みのシングルボードPCとしては、高いスペックを持っています。発売当初はCPU性能がIntelのCore Mよりも高いと言われていたくらいなので、NASサーバーには期待が持てそうです。
特にラズベリーはエネルギーコストが低く、また驚くほどコンパクトでポータブルのため、他に電源がない場合でも標準のバッテリー パックで動作します。
NAS用のストレージに関しては、ラズパイに搭載可能なマイクロSDの容量も最近では5000円ほどで1TBが購入できる時代となりました。
コロナと半導体不足の影響がなければ、Raspberry Pi 4の価格ももう少しリーズナブルになっているのかと思います。
このため、以下では、ラズパイ単体でNASサーバー化できるか検討してみます。
ラズパイのNASサーバー化
まず、NASサーバー化にはいろいろな方法があるようですが、
前提として消費電力を抑えてラズパイ単体(サーバーストレージはmicroSDスロットに入れる)という仕様でサーバー化を考えてみます。
ここでNAS用のアプリについてですが、Mac, Linux, windowsのファイルを取り扱いたいとすると以下の方法があります。
sambaを利用する方法
OpenMediaVaultを利用する方法
NAS用のオープンソースソフトウェア
sambaとは
Samba(サンバ)は、Windowsのファイルサーバ、プリントサーバ、ドメインコントローラーとして使用するためのオープンソースソフトウェアです。Raspberry Piにこのsambaの機能があれば、最低限のNASサーバーにすることはできますが、実際にはFTPサーバーがなかったり、
openmediavaultとは
Raspberry PiはDebian系のOSなのでNASサーバーを手軽に構築できる「openmediavault」がインストール可能です。
このソフトはDebian Linux に対応しているネットワーク接続ストレージ (NAS) ソリューションです。SSH、(S)FTP、SMB/CIFS、RSync など、すぐに使用できるサービスが多数含まれているため、すぐに利用ができます。このOpenMediaVault は、主に小規模なオフィスやホーム オフィスでの使用を想定してインストールも簡単になっているようです。
実際に、個別にインストールが必要であった以下の機能がこのソリューションでは全部入りしています。
- SSH
- FTP
- NFS (v3/v4)
- SMB/CIFS
- DAAP
- Bittorrent
- RSync
以上のサービスを持っているため、samba(SMB)も内包されているようなのでかなり便利そうです。
「OpenMediaVault」(OMV) と「Samba」との違い
OpenMediaVaultは、sambaをもう少し扱いやすくしたシステムで、ブラウザベースのユーザーやストレージ、サービスの設定が行えます。
NAS用ストレージ
ラズパイにUSBを接続したりしてNASストレージサーバーを作成することも可能です。
この場合、以下の記事が参考になります。


一方で、消費電力を考慮するとラズパイにSDカードをいれるというのも最近では現実的になりました。512GBの容量で5000円程度で購入できるマイクロSDカードの普及が後押しになっています。
インストール方法
以下のコマンドで、Raspberry Pi上にOpenMediaVaultをインストールできます。
$ wget -O - https://github.com/OpenMediaVault-Plugin-Developers/installScript/raw/master/install | sudo bash旧版では、このコマンドで「OpenMediaVault6」をインストールできると書いていましたが、OpenMediaVaultの6系は2024年7月にサポートが終了しています。2026年10月時点の最新は、Debian 13をベースにした8系です(OpenMediaVault公式ドキュメント(PDF)より)。8系は、64ビット(AMD64とARM64)の環境のみが対象です(OpenMediaVault公式のリリース案内より)。
また、OpenMediaVaultは、グラフィカルなデスクトップ環境が入っているOSには、インストールできません。Raspberry Piでは、デスクトップ環境のないOS(Raspberry Pi OSならLite版)を使います。公式ドキュメントは、Raspberry Pi OSでは、専用のインストールスクリプトを使うよう案内しています。
まとめ
ラズパイでできることの1つとして、ラズパイをNAS化する方法を検討・紹介しました。
- NAS化の方法には、sambaを利用する方法と、OpenMediaVaultを利用する方法がある。
- OpenMediaVaultは、SSH、FTP、SMB/CIFSなどのサービスを含み、ブラウザから設定できる。
- ストレージには、USB接続のストレージやmicroSDカードを使う方法がある。
ラズパイは、ファイルサーバー以外にもさまざまな用途に使えます。まずは目的を1つに絞って試してみてください。
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