NASサーバーとは、HDDやSSDといったストレージ機能に特化したサーバーで、大量のデータを保存・管理してくれます。特に、複数のディスクがあれば、RAIDとよばれる技術が利用できるため、故障した際に、HDD等のディスクを交換するだけですぐにデーターを復旧できます。本記事ではQNAP社製のNASサーバーの活用事例をレポートします。
管理人本記事の読者層は以下の方を想定しています。
- QNAPのストレージサーバーをSSHで接続したい方
- QNAPのLinux構造を知りたい方
NASサーバーとは?
台湾のQNAP(キューナップ)システムズは、家庭用や中小企業向けに魅力的なNAS (Network Attached Storage) serverを多数販売している会社です。その社名の由来は”Quality Network Appliance Provider” からきています。
NASサーバーとは、HDDやSSDといったストレージ機能に特化したサーバーで、大量のデータを保存・管理してくれます。特に、複数のディスクがあれば、RAID (Redundant Array of Inexpensive Disks)とよばれる技術が利用できるため、故障した際に、HDD等のディスクを交換するだけですぐにデーターを復旧できます。
私も2006年からQNAPのNASサーバーに長い間お世話になっており最近では2代目のNASサーバーを購入してデータ移行しました。一台目は長い間使用していたのですが電源部分に問題が発生したため頻繁に落ちるようになり新規購入した次第です。
このようなNASサーバーは、外部ストレージとして魅力的な製品です。メインサーバー機単独でデーター管理した際、不慮な事故からデータ破損があった場合、バックアップストレージディスクとして利用できます。サーバー機能の分散タスクの一環です。
今回は、こんなNASサーバーをメインサーバ-のバックアップにどのように利用できるか検証してみました。
QNAP社のNASサーバーの概要
今回、使用するNASサーバーは
QNAPのNASサーバー:TS673A (AMD Ryzen Embedded V1500B クアッドコア 2.2 GHz)
特徴
- 6ベイのNASサーバー
- M.2.SSDが2つ搭載可能
- 柔軟なPCIe拡張 等
HDDが6つ接続可能なので、8TBのHDDであれば6台で48TBも積める大容量NASサーバーです。
このNASサーバーはファイルサーバーとしてはとても優秀なので、メインサーバー機のバックアップ用に利用できるか検討してみます。
方法として、アナログ的ですが、メインサーバー機からSSH経由でNASサーバーのファイルを転送する方法を考えてみました。以下が検証過程です。
QNAPへSSH接続ができるかどうか?
NASサーバー機の共有フォルダがどこにあるか?
NAS側にTarコマンドが存在するかどうか?
QNAPへSSH接続する方法
QNAPはWebブラウザからの管理が基本ですが、Webブラウザ経由でアクセスできなくなった際の復旧や、コマンドでの再起動など、SSHで直接ログインできると対応の幅が広がります。QNAPは同様にTelnetでの接続にも対応していますが、通信が暗号化されないため、通常は暗号化通信が可能なSSHを使用します。
接続する前に、Windows側にSSH接続ができるターミナルソフト(Tera TermやPuTTY等)を用意しておく必要があります。Tera Termでの準備方法は以下の記事をご参照ください。


QNAPの電源投入後、http://○○○○:8080にてQNAPのログイン画面から「admin」でログインします。


「コントロールパネル」→「ネットワーク&ファイルサービス」→「Telnet/SSH」と進み、「SSH接続を許可する」にチェックを入れます。SFTPを有効にするにもチェックを入れます。


その後、メインのserver側からログインしてみます。
ユーザーは「admin」しかSSH接続が許可されていないため、以下のようにログインします。(192.168.12.2はNASサーバーのIPアドレス)
$ssh admin@192.168.12.2
The authenticity of host '192.168.12.2 (192.168.12.2)' can't be established.
ED25519 key fingerprint is SHA256:XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX.
This key is not known by any other names
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])?
このNASへ初めてSSH接続する場合、鍵の指紋(fingerprint)を信頼するかどうかの確認メッセージが表示されます。「yes」と入力して接続を続けてください(2回目以降は表示されません)。
ちなみに、
ED25519(エド25519)とは、SSH接続などの暗号化通信で広く使われている、非常に安全性が高く、処理スピードが速い最新の「暗号アルゴリズム(公開鍵暗号方式)」のことです。
その後、すぐに下記のような「Console Management -Main menu」が現れる。ここで特にすることはないので、「Q:quit」を押し次に進みます。
+-------------------------------------------------------------------------+
| Console Management - Main menu |
| |
| 1: Show network settings |
| 2: System event logs |
| 3: Reset to factory default (password required) |
| 4: Activate/ deactivate a license |
| 5: App management |
| 6: Reboot in Rescue mode (w/o configured disk) |
| 7: Reboot in Maintenance Mode |
| Q: Quit (return to normal shell environment) |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
+-------------------------------------------------------------------------+
>>更に、ノーマルシェルモードに戻るか聞かれますので、「Y」を押します。
+-------------------------------------------------------------------------+
| Main > Quit |
| |
| Are you sure you want to exit the console menu and return to normal |
| shell environment? (Y/N) |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
+-------------------------------------------------------------------------+
>>すると以下のようなコマンド画面になります。
[~] #まず、QNAPのディストリビューションを確認してみると以下のようになります。どうもQNAP独自のもののようですが、Linuxマシンであることはわかります。
[~] #uname -a
Linux AYANAMI 5.10.60-qnap #1 SMP Tue May 31 09:15:32 CST 2022 x86_64 GNU/LinuxQNAPのOSは、GNU/Linux系でversion 5.10.60でした。(最近バージョンアップしてないかも。)
[~] #cat /proc/version
Linux version 5.10.60-qnap (root@mini-builder-04) (x86_64-QNAP-linux-gnu-gcc (toolchain config: [gcc-4.9.2 binutils-2.25 glibc-2.21]) 4.9.2, GNU ld (GNU Binutils) 2.25) #1 SMP Fri Jul 31 04:07:10 CST 2026x86_64-QNAP-linux-gnu-gcc (toolchain config: [gcc-4.9.2 binutils-2.25 glibc-2.21]) 4.9.2
コマンドプロンプトからは、他のサーバーへssh接続できることも確認できました。
例えば、QNAPサーバー(IP=192.168.12.10)へ「user」でアクセスする場合、以下の方法SSH接続ができます。
[~] #ssh user@192.168.12.10QNAPのNASサーバーに保存したファイルはどこにあるのか?
QNAPのNASサーバーでは、通常ControlPanelから共有フォルダを作成します。
この共有フォルダの保存場所は、SSH接続で内部ディレクトリを確認したところ、「/share」の中に格納されていることがわかります。
例えば、
Publicというフォルダ名が共有フォルダで出来ていれば、[Public]
Public2というフォルダ名が共有フォルダで出来ていれば、[Public2]
がlsコマンドで確認できます。これでアクセスは可能です。
実際のQNAPのディレクトリ構造は「./」の最上階から以下のようになっています。
[~] # cd ..
[/] # ls
bin/ lib/ mysql/ root/ tmp/
dev/ lib64@ new_root/ run/ usr/
etc/ linuxrc@ NULL* samba_third_party/ var/
flashfs_tmp/ lost+found/ opt/ sbin/
hd_root_tmp@ MalwareRemover.sh@ php.ini@ share/
home/ mnt/ proc/ sys/
[/] #QNAP内のサーバーで使えるコマンド
QNAPのNASサーバーで使えるコマンドを一覧にするコマンド(修正版)は、下記の通りです。
for x in ${PATH//:/ }; do [ -d "$x" ] && ls -1 "$x"; done 2>/dev/null | sort | uniqこのコマンドは[ -d "$x" ]: ディレクトリが存在する場合のみ ls を実行します。
2>/dev/null: 万が一存在しないパス等でエラーが出た場合でも、エラーメッセージを非表示にします。
[/] # for x in ${PATH//:/ }; do ls -1 $x; done | sort | uniq/bin/ls とすると、
から調べると、1000個近く使えるコマンドがあります。SSHだけでなく、Tarやftpさらにはpython(2&2.7)も使えるようです。
まとめ
QNAP社製NASサーバーは、ControlPanelから設定を有効にするだけでSSH接続ができ、Linuxコマンドを使った柔軟な操作が可能です。
- ControlPanelで「SSH接続を許可する」にチェックを入れるだけで、
ssh admin@(NASのIPアドレス)で接続できる - 共有フォルダの実体は
/shareディレクトリ配下に格納されている - SSH経由でコマンドが使えるため、メインサーバーとNAS間のバックアップ運用などに応用できる
次回の記事をご期待下さい。どうぞよろしくお願いいたします。
関連リンク









コメント