Raspberry PiのIPアドレスの確認と固定IPアドレスの設定方法を、初心者にもわかりやすく解説します。Raspberry Piを使ってネットワーク構築を行う際の基本手順を、具体的な操作方法とともに紹介します。これにより、安定したネットワーク接続を維持でき、さまざまなIoTやサーバーのプロジェクトに活用できるようになります。
本記事の読者層は以下の方を想定しています。
- 初心者やネットワーク設定に自信のないユーザー
- サーバー運用を考えている技術者
- 最新情報を求めるRaspberry Piユーザーや開発者
Raspberry PiでのIPアドレスの基本概念
Raspberry Piのネットワーク設定において、IPアドレスはネットワーク内で機器を特定するための重要な要素です。一般的には動的IPアドレス(DHCP)を使って自動的に割り当てられますが、特定の用途では固定IPアドレスの設定が推奨されます。たとえば、Raspberry Piをウェブサーバーやファイルサーバーとして使用する場合、固定IPにすることでネットワーク内での安定性が向上します。
Raspberry Piの初期確認
Rasberry Piの最初にネットワークを設定を行います。
ssh接続からRaspberry Piにアクセスを行う。
今回利用したRaspberry Piのバージョンはcat /etc/debian_versionコマンド等で確認できます。
# Raspberry Piのバージョン
$ cat /etc/debian_version
8.0
# Rasbianのバージョン
$ cat /etc/issue
Raspbian GNU/Linux 8 \n \l
# OSのバージョンを確認する方法
$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Raspbian
Description: Raspbian GNU/Linux 8.0 (jessie)
Release: 8.0
Codename: jessie
#カーネルのバージョンを確認する方法
$ cat /proc/version
Linux version 4.9.35-v7+ (dc4@dc4-XPS13-9333) (gcc version 4.9.3 (crosstool-NG crosstool-ng-1.22.0-88-g8460611) ) #1014 SMP Fri Jun 30 14:47:43 BST 2017
# ハードウェアのモデルを確認する方法
$ cat /proc/device-tree/model
Raspberry Pi 3 Model B Rev 1.2pi
使用環境
- ホスト環境:Raspberry Pi 3 Model B Rev 1.2
- 仮想環境OS:Raspberry Pi OS (32-bit) Raspbian : 8 (jessie )
Raspberry PiのIPアドレス確認方法
Raspberry Piに接続された状態で、次のコマンドを使ってIPアドレスを確認することができます。
$ifconfig
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX
inet addr:192.168.XXX.XXX Bcast:192.168.12.255 Mask:255.255.255.0
inet6 addr: fe80::6bcb:cb7b:a317:6329/64 Scope:Link
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:889139 errors:0 dropped:25 overruns:0 frame:0
TX packets:118659 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:383370214 (365.6 MiB) TX bytes:12913090 (12.3 MiB)
lo Link encap:Local Loopback
inet addr:127.0.0.1 Mask:255.0.0.0
inet6 addr: ::1/128 Scope:Host
UP LOOPBACK RUNNING MTU:65536 Metric:1
RX packets:256 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:256 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1
RX bytes:21941 (21.4 KiB) TX bytes:21941 (21.4 KiB)
wlan0 Link encap:Ethernet HWaddr b8:27:eb:23:12:da
inet6 addr: fe--::----:--00:----:3eeb/64 Scope:Link
UP BROADCAST MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:256513 errors:0 dropped:255288 overruns:0 frame:0
TX packets:1112 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:88499598 (84.3 MiB) TX bytes:177457 (173.2 KiB)
このとき、以下のLAN用接続端子が確認出来ます。
eth0
: 有線接続のIPアドレスwlan0
: 無線接続のIPアドレスlo
: ローカルホスト用の仮想インターフェース
ここで、IPアドレスを変更する場合は、ubuntuの設定と異なり以下のファイルの変更だけで問題ありません。
Raspberry Piでの固定IPアドレス設定方法
固定IPアドレスの設定は、/etc/dhcpcd.conf
ファイルの編集で行います。以下の手順に従って設定を行いましょう。
- /etc/dhcpcd.conf
①ターミナルで/etc/dhcpcd.conf
ファイルを開きます。
$ sudo nano /etc/dhcpcd.conf
②ファイルの末尾に、以下の設定を追加します(192.168.1.101
は固定したいIPアドレスに置き換えます)。
interface eth0
static ip_address=192.168.12.101/24
static routers=192.168.12.1
static domain_name_servers=192.168.12.1
③ファイルを保存して終了します(Ctrl + X
を押してからY
、Enterで保存)。
ここで、interface の「eth0」はLANケーブル端子を選びました。
④設定を反映させるため、Raspberry Piを再起動します。
$ sudo reboot
再起動後、固定IPアドレスが設定されていることを確認できます。
するとipconfigコマンドを再実行すると以下のようになります。
$ifconfig
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr b8:27:eb:76:47:8f
inet addr:192.168.12.101 Bcast:192.168.12.255 Mask:255.255.255.0
inet6 addr: fe80::6bcb:cb7b:a317:6329/64 Scope:Link
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:889139 errors:0 dropped:25 overruns:0 frame:0
TX packets:118659 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:383370214 (365.6 MiB) TX bytes:12913090 (12.3 MiB)
lo Link encap:Local Loopback
inet addr:127.0.0.1 Mask:255.0.0.0
inet6 addr: ::1/128 Scope:Host
UP LOOPBACK RUNNING MTU:65536 Metric:1
RX packets:256 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:256 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1
RX bytes:21941 (21.4 KiB) TX bytes:21941 (21.4 KiB)
wlan0 Link encap:Ethernet HWaddr b8:27:eb:23:12:da
inet6 addr: fe80::a06e:6900:f30d:3eeb/64 Scope:Link
UP BROADCAST MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:256513 errors:0 dropped:255288 overruns:0 frame:0
TX packets:1112 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:88499598 (84.3 MiB) TX bytes:177457 (173.2 KiB)
これでRaspberry Piを再起動すればIPアドレスが変更になっています。
IPアドレスが動的に変更されるリスクと対策
動的IPアドレスでは、ルーターの再起動やIPリース期間の終了時にアドレスが変更される可能性があります。特にIoTデバイスやサーバーとしてRaspberry Piを利用する場合、この変更によって接続が切れるリスクがあります。固定IPアドレスの設定は、こうした問題を防ぎ、システムの安定性を確保します。
複数のRaspberry PiのIPアドレスを管理する方法
複数のRaspberry Piをネットワーク内で使用する場合、それぞれに異なるIPアドレスを割り当てる必要があります。最も簡単な方法は、固定IPアドレスを手動で設定するか、ルーター側で静的リースを使用することです。静的リースでは、特定のMACアドレス(ネットワークデバイス固有のID)に対して常に同じIPアドレスを割り当てる設定をルーターで行います。
IPアドレス確認時のトラブルシューティング
時折、ifconfig
コマンドを実行してもIPアドレスが表示されない場合があります。これはネットワークが正しく設定されていないか、接続が不安定である可能性があります。次のコマンドで現在のネットワークステータスを確認し、必要に応じて再設定を試みましょう。
まとめ
本記事では、Raspberry PiのIPアドレスの確認方法と、固定IPアドレスを設定する手順について詳しく説明しました。IPアドレスの設定は、Raspberry Piをネットワークで利用する上での基本中の基本ですが、安定した接続を維持するためには固定IPアドレスを設定することが重要です。Raspberry Piを使ったプロジェクトを円滑に進めるために、ぜひ本記事を参考に設定を行ってみてください。
次回の記事をご期待下さい。どうぞよろしくお願いいたします。
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