WordPressのバックアップの取り方を、無料でできる方法に絞って解説します。サーバーの標準機能・無料プラグイン・FTPとphpMyAdminによる手動バックアップ・コマンドの4つを、公式情報で確認できた範囲で比べ、復元の注意点やサーバー故障時の備えまでまとめました。
管理人本記事の読者層は以下の方を想定しています。
- WordPressのバックアップを、費用をかけずに取りたい方
- サーバー機能・プラグイン・手動のどれが自分に合うか知りたい方
- 自宅サーバーなどを運用していて、故障時の復旧に備えたい方
WordPressのバックアップの取り方|無料でできる4つの方法
WordPressのバックアップの取り方は、無料でも複数あります。大きく分けると、次の4つです(2026年10月時点で、各公式ページを確認した内容です)。
- 契約中のサーバーが用意しているバックアップ機能を使う
- 無料のバックアッププラグイン(UpdraftPlus・BackWPup・All-in-One WP Migration)を使う
- FTPクライアントとphpMyAdminで、ファイルとデータベースを手動で保存する
- サーバーを自分で管理している場合は、mysqldumpとtarのコマンドで保存する
WordPress公式のバックアップ解説では、ホスティング会社がサーバー全体をバックアップしていても、そこから自分のサイトを取り戻してもらうには時間がかかると説明されています。そのため、自分でもバックアップを取り、復元の方法を知っておくことが勧められています。
| 方法 | 無料でできること | 無料版の制限・注意点 |
|---|---|---|
| サーバーのバックアップ機能 | 契約中のサーバーが提供する自動バックアップや、管理画面からのバックアップを使えます | 提供の有無、保存期間、復元の方法はサーバーごとに異なります |
| UpdraftPlus(無料版) | ファイルとデータベースの保存、復元、スケジュール実行、Dropbox・Google Drive・FTPなどへの保存 | 更新前の自動バックアップ、増分バックアップ、OneDriveなど一部の保存先、WP-CLI操作は有料版です |
| BackWPup(無料版) | ファイルとデータベースの保存、スケジュール実行、Dropbox・Amazon S3・FTPなどへの保存、手動でアップロードしたバックアップの復元 | 保存先から直接復元する機能は、有料のPro版です |
| All-in-One WP Migration(無料版) | サイト全体を1つのファイルに書き出して保存できます(公式では、サイトの大きさを問わないと記載) | 復元はImport画面へのアップロードで、サーバーの上限を超える容量は難しくなります。ワンクリック復元・スケジュール・クラウド連携は有料です |
| FTP+phpMyAdmin(手動) | 追加費用なしで、ファイルとデータベースを別々に保存できます | 毎回、自分で作業する必要があります |
| mysqldump+tar(コマンド) | 追加費用なしで保存でき、cronなどで自動化することもできます | SSHなどでサーバーを操作できることが前提です |
無料版の範囲は変更されることがあります。導入前に、各プラグインの公式ページで現在の条件を確認してください。
WordPressのバックアップ対象|ファイルとデータベースの両方を保存する
WordPressのサイトは、「データベース」と「ファイル」の2つで成り立っています。どちらか片方だけでは、サイトを元の状態に戻せません。
- データベース:投稿、コメント、リンクなどの記事データが入っています
- ファイル:WordPress本体、プラグイン、テーマ、アップロードした画像、PHPなどのコードファイルが入っています
保存先についても、WordPress公式は、最低3つのバックアップを別々の場所や別の種類のメディア(別のハードドライブ、オンラインストレージなど)に置くよう案内しています。サーバーが突然停止するリスクがあるため、サーバーの中だけに置かないようにしましょう。
取る頻度は、記事を更新する頻度に応じて決めます。公式は、データベースのバックアップを定期的に、そしてアップグレードの前には必ず取るよう案内しています。
契約中のサーバーのバックアップ機能を確認する
最初に確認したいのは、契約しているサーバーに用意されているバックアップ機能です。WordPress公式のドキュメントでも、たいていのホスティングサービスがバックアップ用のソフトウェアを提供していると説明されています。
一例として、エックスサーバーは、自動バックアップ機能を追加費用なしで提供しています。同社の公式ブログによると、Webデータ(WordPressなど)は7日間(最新バージョンのサーバーは14日間)、MySQLデータベースは14日間保管されます(2026年10月時点)。保存期間や復元の方法はサーバー会社ごとに違うため、契約中のサービスの案内を確認してください。
ただし、サーバーの中にあるバックアップは、サーバー自体に障害が起きると一緒に失われるおそれがあります。パソコンなどの別の場所にもダウンロードして、保管しておくと安心です。
無料プラグインでWordPressをバックアップする方法
管理画面から操作できる無料プラグインは、サーバー側の機能に頼れない場合や、バックアップを複数の場所に残したい場合に便利です。ここでは代表的な3つを、無料版でできることを中心に紹介します(2026年10月時点の公式ページに基づきます)。
UpdraftPlus(無料版)
UpdraftPlusは、バックアップ・復元・移行ができるプラグインです。公式ページによると、手動での実行に加えて、2・4・8・12時間ごと、毎日、毎週、毎月などのスケジュールで自動実行できます。保存先には、Dropbox、Google Drive、Amazon S3(互換サービスを含む)、FTP、メールなどを選べます。復元は、画面上で復元したい項目(プラグイン、テーマ、データベースなど)を選んで進める方式です。
有料版には、WordPressやプラグインの更新前に自動でバックアップを取る機能、変更分だけを保存する増分バックアップ、OneDriveやSFTPなど追加の保存先などがあります。まず無料版を試し、足りない機能があれば有料版を検討するとよいでしょう。
BackWPup(無料版)
BackWPupは、WordPressのファイルとデータベースを保存できるプラグインです。公式ページによると、無料版でも、自動バックアップのスケジュール設定、Dropbox・Amazon S3・FTPなどの外部ストレージへの保存、復元に対応しています。ただし、無料版で復元できるのは自分でアップロードしたバックアップで、保存先から直接復元する機能は有料のPro版です。特定のファイルやデータベースだけを選んで保存することもできます。
基本的な流れは、次のとおりです(エックスサーバーの公式ブログに基づく手順で、画面の表示はプラグインの更新により変わる場合があります)。
- WordPressの管理画面で「プラグイン」→「新規追加」から「BackWPup」を検索し、インストールして有効化します。
- 管理画面左のメニューから「BackWPup」を開き、バックアップする対象(ファイル・データベース)を選びます。
- バックアップの頻度(毎時間・毎日・毎週・毎月)を選びます。
- 保存先(ウェブサイトのサーバー内、またはクラウドストレージ)を選んで保存します。
- 任意のタイミングで取りたいときは、「今すぐバックアップ」を押します。
- 作成したバックアップは、バックアップの一覧からダウンロードして、パソコンに保存できます。
毎時間や毎日に設定すると、記事や画像が多いサイトではサーバーに高い負荷がかかることがあります。最初は週1回程度から始め、必要に応じて調整する方法が紹介されています。
All-in-One WP Migration(無料版)の使い方と注意点
All-in-One WP Migrationは、サイト全体(データベース、メディア、テーマ、プラグイン)を1つの.wpressファイルにまとめて書き出せるプラグインです。公式ページでは、現在の名称は「All-in-One WP Migration and Backup」になっています。公式の説明では、無料版でも書き出し(バックアップ)は、サイトの大きさを問わずできるとされています。
一方で、復元には注意が必要です。
- 無料版では、バックアップファイルをダウンロードして保存し、復元するときは「All-in-One WP Migration」→「Import」の画面にアップロードします
- アップロードできる容量は、契約しているサーバー(ホスティング会社)の設定で決まります。バックアップがその上限より大きいと、アップロードできません
- Backupsページからのワンクリック復元は、有料の拡張機能(Unlimited Extension)の機能です。スケジュールバックアップやクラウドストレージへの保存も、有料の拡張機能です
この記事の旧版では「無料版は500MBまで」と紹介していましたが、現在の公式ページにこの上限の記載はなく、制限は復元時のサーバー側のアップロード上限として説明されています。上限を超える場合は、ホスティング会社に相談するか、公式が案内しているアップロード上限の引き上げ方法を試します。
ステップ1:プラグインをインストールする
- WordPressの管理画面にログインします。
- 左サイドバーの「プラグイン」から「新規追加」を選択します。
- 検索欄に「All-in-One WP Migration」と入力し、プラグインが表示されたら「今すぐインストール」をクリックします。
- インストール完了後、「有効化」をクリックします。
ステップ2:バックアップを作成する
- 左サイドバーに追加された「All-in-One WP Migration」→「エクスポート」をクリックします。
- エクスポート先を選ぶ画面が表示されます。「エクスポート先: ファイル」を選択します。
- バックアップファイルの生成が完了するとダウンロードリンクが表示されるので、パソコンに保存します。
ステップ3:バックアップファイルを別の場所にも保存する
ダウンロードしたバックアップファイルは、パソコンや外付けストレージ、Google DriveやDropboxなどのクラウドサービスに、手動でアップロードして保管します。プラグインから直接クラウドへ保存する機能は、有料の拡張機能です。
こちらは以下の記事でも紹介していますので、ご参照ください。


FTPとphpMyAdminで手動バックアップする方法
プラグインを使わずに、ファイルとデータベースを別々に保存する方法です。追加の費用はかかりません。特定の構成を維持したい場合にも向いています。
ファイルをFTPでダウンロードする
FTPクライアント(FileZillaなど)でサーバーに接続し、WordPressのルートディレクトリ(通常は「/var/www/html」など)にあるすべてのファイルを、パソコンに保存します。テーマ、プラグイン、画像、設定ファイルが含まれます。保存したファイルをZIPなどで圧縮すると、容量を節約でき、複数の世代を残せます。
データベースをphpMyAdminでエクスポートする
WordPressは記事や設定をMySQLまたはMariaDBのデータベースに保存しています。phpMyAdminでデータベース全体をエクスポートすると、データベース側のバックアップが取れます。
- サーバーの管理画面などからphpMyAdminを開き、WordPress用のデータベースを選択します。
- 「エクスポート」タブをクリックします。
- エクスポート方法で「詳細」を選ぶ場合は、すべてのテーブルを選び、形式を「SQL」にして、「出力をファイルに保存する」にチェックを入れます。
- 「実行」をクリックし、ダウンロードされたSQLファイルをパソコンなどに保存します。
既存のデータベースを上書きして復元する予定がある場合は、公式の説明にある「DROP TABLE / VIEW / PROCEDURE / FUNCTION / EVENT / TRIGGER コマンドを追加する」と「IF NOT EXISTS」のオプションをオンにしておくと便利です。
phpMyAdminはデータベースを直接操作できるツールです。特に削除や更新を行うときは注意してください。また、強力なパスワードを設定し、phpMyAdminへのアクセスを制限することが推奨されます。
コマンドでバックアップする方法(mysqldumpとtar)
自宅サーバーなどを自分で管理している場合は、SSHなどでサーバーに入り、コマンドでバックアップを取れます。追加費用はかかりません。ファイルとデータベースを別々に保存する点は、手動の場合と同じです。
データベースは、MySQLに付属するmysqldumpで書き出します。MySQLの公式ドキュメントでは、InnoDBのテーブルであれば、–single-transactionオプションを付けることで、テーブルをロックせずに一貫した状態でバックアップできると説明されています。
mysqldump --single-transaction -u ユーザー名 -p データベース名 > wordpress_db.sqlファイルは、tarで圧縮して保存します。
tar -czf wordpress_files.tar.gz /var/www/html「ユーザー名」と「データベース名」は、WordPressの設定ファイル(wp-config.php)に書かれている値に読み替えます。cronなどで定期的に実行すれば、バックアップを自動化できます。作成したファイルは、別のディスクやパソコンにもコピーしておきましょう。
バックアップから復元する方法
バックアップは、復元できて初めて役に立ちます。方法ごとの復元の流れは、次のとおりです。
- UpdraftPlus:プラグインの画面で復元するバックアップを選び、復元する項目(プラグイン、テーマ、データベースなど)を選んで進めます
- BackWPup:無料版では、自分でアップロードしたバックアップから復元できます。保存先から直接復元するのは、有料のPro版です
- All-in-One WP Migration:無料版では、バックアップファイルを「Import」の画面にアップロードして復元します。サーバーの上限より大きいファイルは、アップロードできません。復元後は、キャッシュを削除し、「設定」→「パーマリンク」を保存し直すよう、公式が案内しています
- FTP+phpMyAdmin:ファイルをFTPでサーバーにアップロードし、保存したSQLファイルをphpMyAdminの「インポート」機能で読み込みます。他のサーバーや新しいデータベースへの復元も可能です
- mysqldump+tar:SQLファイルをデータベースに読み込み(phpMyAdminのインポートでも可能です)、圧縮したファイルを元のフォルダに展開します
実機が壊れたときのWordPressの情報抽出
実機が壊れた場合に備え、WordPressのデータ抽出と復元の準備を日頃から行っておくことが重要です。特に、レンタルサーバーを使用している場合、サーバー側が自動的にバックアップを提供しているケースが多く、個人ユーザーにとって負担が軽減されています。しかし、自宅サーバーを使用してWordPressを運用している場合は、ハードウェアの故障やメンテナンスがユーザーの責任となるため、予防策が不可欠です。
apache2+PHP+MySQLの環境自体は、以下の記事で紹介しているDockerを利用して保存しておくこともできます。


実機が壊れたときのデータ抽出手順
以下は、実機のトラブル時にデータを抽出し復元する手順です。
- 代替サーバーの準備 故障したサーバーと同じ環境(OS、PHP、MySQLのバージョン)を備えた新しいサーバーを準備します。特にPHPやMySQLのバージョンが異なると、復元が難しくなる場合があるため、可能な限り同一環境であることが望ましいです。
- データベースファイルの移動 故障したサーバーのストレージが完全に失われていない場合は、「/var/lib/mysql」ディレクトリにあるデータベースのファイルを、新しいサーバーに移す方法があります。MySQLの公式ドキュメントでは、InnoDBのデータファイル(ibdataファイルと.ibdファイル)をコピーする物理バックアップは、MySQLサーバーを停止した状態で行う方法として説明されています。これにより、記事内容やユーザー情報などのデータが保持されます。データベースが破損している場合は、専門ツールを用いて修復を試みることもできます。
- WordPressファイルの復元 WordPressのコアファイル、テーマ、プラグイン、およびアップロード済みの画像などが格納されている「/var/www/html」フォルダをバックアップから復元します。このフォルダはWordPressサイトの構成に重要な役割を果たすため、バックアップが定期的に取得されていることが理想です。
- ドメインの設定と確認 サイトが正常に動作するためには、元のドメインが新しいサーバーで正しく設定されている必要があります。DNS設定を確認し、移行後のドメインのリンク切れや画像非表示といった問題がないようにします。
Dockerを利用した環境復元
特にサーバー運用に慣れていない場合、Dockerを使ってWordPressの環境をコンテナ化しておくことも効果的です。コンテナにより、サーバーのクラッシュや異なる環境に移行する際にも容易に復元可能です。
- Dockerイメージの作成 Apache、PHP、MySQLの構成を含んだDockerイメージを作成し、バックアップとして保存します。イメージがあれば、実機が壊れたときに新しいサーバー上で短時間で環境を再現できます。
- データボリュームのマウント WordPressのデータベースやファイルをボリュームとして外部ストレージにマウントしておけば、コンテナを再起動するだけでデータを保持したままサービスを復元できます。
サーバー機本体が壊れてしまい、データが残っている場合はある程度復旧は可能です。
まとめ
WordPressのバックアップは、ファイルとデータベースの両方を、無料の方法でも取ることができます。
- サーバーの標準機能と無料プラグインは、手軽に始められる方法です
- 無料版には、復元や自動化に制限がある場合があるため、導入前に公式ページで確認します
- 自宅サーバーでは、mysqldumpとtar、またはDockerによる環境の保存も役立ちます
取ったバックアップは、別の場所にも保存し、復元の手順も確認しておきましょう。
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