本記事では、QNAP社製の高機能NASサーバーを用いたHDDのバックアップ方法と、RAIDの構成方法について解説します。
管理人本記事の読者層は以下の方を想定しています。
- QNAPを利用したい方
- NASサーバーに興味がある方
この記事でわかること
- NASサーバーとして有名なQNAPのバックアップ方法について解説します。
- QNAPのファイルサーバーの使い方
NASとは
NASサーバーのなかでも、2004年設立された台湾メーカーQNAP systems, Inc.はNASサーバーで有名なメーカーです。現在では法人だけでなく、個人でもNASサーバーを利用できるようになりました。
NASサーバーの中ではRAIDを組める機器が多くあり、RAIDを組める機器は以下メーカーが有名です。
- バッファローのNASサーバー
- QNAPのNASサーバー
- IODATAのNASサーバー
- Synology NASサーバー
本記事では、ハードディスクドライブを取り付けてRAID(Redundant Array of Independent Disks)を構成できるサーバー機のなかで、スマートなオペレーティングシステムをもつQNAP社の製品について解説します。


RAID
基本的なRAID構成
- RAID0
- RAID1
- RAID5
RAIDについては以下の記事を参照下さい。


NASの構築方法
step1
まずストレージプールを作成します。(詳しい手順は後述の「ストレージプールの作成」章を参照してください)
step2
続いてボリュームを作成します。(詳しい手順は後述の「ボリューム作成」章を参照してください)
ボリュームについて
①ストレージプール
ストレージプールは多くの物理ディスクをストレージ領域のひとつの大きなプールにまとめます。QNAPを利用したい場合には、このストレージをまず最初に作ることを推奨します。詳細はQNAP公式ドキュメント「ストレージプール」を参照してください。
②レガシーボリューム
QTS 3.xかそれ以前で作られるボリュームです。古いQNAPでRAIDを組んでいたものをそのまま新しいQNAPに入れ替えると、ボリューム名がレガシーボリュームとなります。このレガシーボリュームのままでも読み書きはできますが、片方が壊れた場合に新しいHDDを入れてもRAID構築ができないという問題があります。詳細はQNAP公式ドキュメント「レガシーボリューム」を参照してください。
レガシーボリュームは、できる限り早く全データをバックアップし、新しいシックボリューム、シンボリューム、または静的ボリュームを作成してからデータを新しいボリュームに復元することを推奨します。
QNAPのQTSオペレーティングシステム
QNAP社製のQTSオペレーティングシステムは、次のようなデスクトップ環境をブラウザー上で操作できます。
このデスクトップ環境でさまざまなQNAP用のアプリをダウンロードできます。サーバー機としての完成度が高いです。


今回利用している機種は6ベイのHDDならびにSSD2つを搭載できるため、RAID0からRAID6までの構築が可能です。これだけHDDがあると、壊れた時のリスクも大きくなります。
この画面上の「コントロールパネル」のアイコンをクリックし、ControlPanelのタブが開いたら、システムの「ストレージ&スナップショット」をクリックしてください。


「ストレージ」>「ストレージ&スナップショット」からHDDのRAIDを構成することができます。


ディスク領域の構成


ストレージプールの作成
ストレージプールの作成は以下の手順でできます。
「ストレージ&スナップショット」から「作成」>「新規ストレージプール」を選択します。




今回はこのままの設定で作成します。
今回はHDD2とHDD4を用いてストレージプールの構成でRAID1を組みます。






「選択したディスクのすべてのデータが消去されます。続行しますか?」というメッセージが出るため、これをOKして次へ進みます。
これには数分かかることがあります。お待ちくださいというメッセージが表示されます。
数分ほどでストレージプールの作成が完了します。
続いてデータの保存を開始するために新しいボリュームを作成します。ボリュームとLUNに領域を割り当てる際には、拡張と継続的なシステム動作のために空き領域を必ず確保してください。
ボリューム作成
新規ストレージプールを作成した後、QNAPのボリューム作成には以下の3つがあります。
ボリュームの種類
- オンデマンド領域(シンボリューム)
- 予め設定された領域(シックボリューム)
- 従来の設定(静的ボリューム)
シンボリューム
シックボリュームの機能に加え、シン・プロビジョニング配置により柔軟にボリューム構成をとることが可能ですが、動作・運用面では複雑化します。
シックボリューム
フレキシブルボリュームとも呼ばれるシンボリュームおよびシックボリュームは、ストレージプール内に作成する必要があります。シックボリュームとシンボリュームは双方向で変換が可能です。
比較的シンプルで機能・性能・信頼性面でのバランスが取れており、スナップショット・SSDキャッシュ・QTier・動的拡張に対応しているため、基本的にはこの設定をお勧めしています。
静的ボリューム
静的ボリュームは、ボリュームを作成するために選択したディスク/RAID上のすべての利用可能なストレージ容量を含む、シンプルで使いやすいボリュームです。
今回は、シックボリュームを作成してみます。
(1)タイプを選択します。


これで「ボリュームDataVol2を作成中です」と表示されます。
(2)構成にて「最大に設定」します。


(3)完了を押して終了します。


この後、同期完了まで数十時間かかります。
RAID環境の移行
古いRAID環境(QTS 3.x以前)のRAIDグループを新しい機種へ移植することもできます。これは同じQNAP製品間でのみ可能です。そのままHDDを入れ替えることで、QTS 5.1環境では「レガシーボリューム」として登録されます。


上記はRAID1の構成で、HDD1と3、HDD2と4、HDD5と6がそれぞれRAID1(NAS購入後にボリュームを構築)しています。NAS購入後にボリュームを構成していると「ストレージプール」として認識されます。
一方、レガシーボリュームのままだとQNAPのサービスを十分に受けられません。このため、レガシーボリュームからQNAP専用のフォーマットであるストレージプール領域として構築し直す必要があります。
通常の手順は以下の通りです。
- HDDのバックアップ
- HDDの初期化
- HDDをストレージプールへ変換
以上を行った後にHDDデータを戻します。
RAIDの構築
HDDのRAID構成の中でも、バックアップサーバーは比較的容易に構成できます。壊れた場合の修復も比較的安価です。
QNAPのRAID1を構築する前提で以下解説します。
コントロールパネルから操作します。




ストレージプールの作成




ブラウザ上部のバックグラウンドタスクを確認すると、RAIDグループが同期中という画面が表示されます。あと何時間ほどで同期可能かも確認できます。8TBぐらいであれば12時間ほどでRAID1の構築が可能です。以上でRAID構築は完了です。
容量を変更
QNAPでは最初に「ストレージプール」を構成してから容量を変更します。プールの変更が終わったら、次にRAIDの拡張の手順を踏みます。


ストレージプールの容量変更前後での見え方




すると、ストレージプールは7.28TBになっていますが、Public3_Volはいまだに2.61TBのままです。


管理画面をクリックして「ボリュームサイズ変更」を行う
Public3_Volをクリックするとボリューム管理画面が開くため、アクションボタン>ボリュームサイズ変更を行います。


すでにストレージプールが7.27TBになっているので、この値を使えるように現在のボリュームサイズを変更します。


ここで「プール容量に設定」をクリックすると容量が最大となり、適用を押すと実行されます。




ただし、ここでボリューム容量は縮小できないため、今回は7200GBに設定し、100GBほど残した状態で容量拡張を行ってみます。
まとめ
本記事では、QNAP社製NASサーバーを使ったストレージプール・ボリュームの作成手順と、RAID構成によるバックアップ環境の構築方法を解説しました。
- ストレージプールの作成からボリューム作成までの手順は比較的シンプルに行える
- RAID構成(RAID0/RAID1/RAID5など)により冗長性を確保できる
- レガシーボリュームのままではRAID再構築ができないため、早めの移行が必要
HDD容量や構成に応じて最適なボリューム設計を選び、安全なバックアップ運用を心がけましょう。
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