筆者の独断と偏見から、数あるLinuxのディストリビューションの中で「Ubuntu」が初心者に最適なディストリビューションがである理由を5つ解説します。Linuxを導入したい方、ディストリビューションを検討している方必見です。
・Linux Ubuntuの導入を検討している方
・Linux 初心者の方でディストリビューションを検討している方
Linuxのディストリビューションとは?
Linuxディストリビューションは、OSの中核をなすLinuxカーネルに加えアプリケーションなどを利用する各種ライブラリ、シェル、コマンド、CUI/GUIの実行環境などのソフトウェアを組み合わせて、ユーザーに容易にインストール・利用できるようにしたものです。使用するツールや環境、アプリケーションなどを好みに組み合わせることで、多くのディストリビューションが存在しています。現在では600以上のアクティブなディストリビューションが世界中で利用されており、中でもDebian、Gentoo、Ubuntu、Linux Mint、Red Hat Enterprise Linux、CentOS、Fedora、Kali Linux、Arch Linux、OpenSUSEなどが多くのユーザーを抱えたコミュニティーを形成していることで知られています。
このようにLinuxのディストリビューションにはさまざまな種類があります。なかでも日本国内で有名なものは以下の5つほどに絞られます。
本記事では、初心者が利用しやすいディストリビューションとしてubuntuが選ばれている理由について解説していきます。
他のLinuxディストリビューションでなくUbuntuが選ばれる理由
Ubuntu OSのダウンロードならびにインストールは無料で、対価費用はインストールにかかる時間のみです。Ubuntuは、古くなり使用されなくなったコンピューターや、またはパフォーマンスの低いコンピューターにインストールが可能なため、新たな投資をせず、利用価値に合うサーバー機能を復活させてくれます。
ここまでは、どのオープンソースLinuxでもうたい文句は一緒でしょう。
(筆者の偏見かもしれませんが、)Ubuntuは以下の点で他のLinuxディストリビューションより優れていると思われます。
■大規模なユーザーコミュニティーの存在:優れたサポート体制
Ubuntuは、世界でもっとも有名なLinuxディストリビューションです。14年前(2022年現在)に提供が始まったこのディストリビューションは、企業から個人ベースのパソコンや携帯電話に至るまで、あらゆるタイプのプラットフォームで使われるようになりました。
Ubuntuは初心者用とよく言われていますが、これには理由があります。現在、Ubuntuほどユーザーと顧客を抱えているLinuxコミュニティーはありません。たとえば、Ubuntuフォーラムには、現在1500万人ほどの投稿とスレッドがあります。Fedoraの場合であれば200万人、openSUSEでも130万人ほどしかありません。一桁ほどユーザー数が違いますね。これは、UbuntuがLinuxの新規ユーザーの募集に重点を置いているためです。
以下にUbuntuの日本語コミュ二ティーのURLを記載しておきます。
Ubuntuの日本語コミュニティー
また「Xubuntu」, 「Ubuntu MATE」, 「Kubuntu」など派生したディストリビューションにも大規模なコミュニティーが存在しています。
「数は正義」というつもりはありませんが、多くのユーザーがいれば情報もまたネットワークを介して交換しやすくより多くの目にもとまりやすいと思います。これが、初心者にも好まれる優れたコミュニティーになった原因かもしれません。
■Debianと同様のすぐれた管理パッケージシステム
UbuntuはDebianのフォーク(*)であるため、技術的に良く似ています。Debianにはすぐれたapt-getパッケージ管理システムがあり、初心者に優しいディストリビューションと呼ばれています。Ubuntuにも同様のパッケージ管理システムがあり、初心者にアプリケーションのインストールやアンインストールの作業を容易にしてくれます。
Linuxのソフトのインストールは依存関係が複雑で、Windowsに比べると圧倒的にソフトウェアの管理が難しいです。パッケージ管理システムはインストールやアンインストールだけでなくバージョン情報も管理してくれるため、Linux系のなかでDebianやそれに続くubuntuが、Linux初心者やwindowsユーザー組にとっても使いやすいOSになっています。また、Ubuntuは他のディストリビューションよりも競争力のあるさまざまな機能が備わっています。
*フォークとは…..ソフトウェアパッケージのソースコードから分岐して、別の独立したソフトウェアを開発すること
■安定した最新システムを提供
Debianは準備ができ次第リリースされるのに対して、Ubuntuは短期リリースの場合は6ヶ月に1回、長期リリースの場合は2年ごとに一回リリースされます、これはリリースLTS (Long Term Support)と呼ばれ、今後5年間、OSのバージョンを切り替えたりアップグレードする必要がないようにサポートをしてくれます。またアップグレードも無料です。一方で、Debianは、①開発が遅れていること、②ユーザーフレンドリーではいこと、③ハードウェアが貧弱であることでしられており、不評の原因ともなっています。
一方、Fedoraは、Red Hat Enterprise Linuxの前身であるため、開発者の遊び場であると言われています。DebianやUbuntuよりも遙かに最先端である傾向が強く、それ故、バグに遭遇することもあるようです。安定版を望むのであればUbuntumの利用をお勧めしますが、多少の代償を払っても最新端を望むならFedoraがオススメです。ただ、Fedoraで問題が起こった場合の対応は初心者では対応できないことは覚悟しなくてはいけません。これが逆を返せば、Ubuntuがオススメである理由です。
■Ubuntu Core : IOT向けディストリビューション
最も軽量のubuntuに「Ubuntu Core」があります。Lubuntuより更に軽量です。Ubuntu Linuxの開発元であるCanonicalが開発したIOT専用のパッケージ管理システムです。アプリはSnappyで管理されおり、このパッケージはSnapto呼ばれています。IOT機器やミニコンピューターに関する知識がなくとも、小さなホームオートメーションガジェットをUbuntu Coreで作成できます。
この分野は今後さらに伸びることが期待されており更なるユーザーを取り込んでくれます。
■ドライバー関連の充実度
Ubuntuは、NVIDIAとAMD両方のドライバー等を標準でサポートしてくれています。大抵の古いパソコンであっても、ドライバーをわざわざ探さずとも自動的にインストールしてくれます。2000年代にdebianをつかっていた筆者は、ディスプレイを表示させるだけで四苦八苦していました。この頃に比べ、Linuxの進化を肌身で感じています。
日本ユーザーが多い
とりわけUbuntuは、日本のユーザーが多いようです。日本のユーザーが多ければ日本語の情報もあつまります。情報がおおければ多いほど、トラブル解消時に解決しやすいメリットがあります。
ディストリビューションの最新情報
ディストリビューションの最新情報は以下のホームページから確認できます。

まとめ
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