本記事では、Pythonより高速で柔軟性が高く、将来科学計算で利用が期待出来るJuliaプログラムについて解説します。Linux Ubuntuで利用するべく、インストール方法から簡単なプログラムの紹介をします。
管理人本記事の読者層は以下の方を想定しています。
- Juliaプログラムのインストールしたい方
Juliaプログラムとは?
「Julia」は、高速で柔軟性が高く、科学技術計算に適したプログラミング言語です。「Julia」は、数値計算、統計解析、機械学習、データ可視化、並列処理など、さまざまな用途に使用されています。
Julia言語は、Jeff Bezanson、Stefan Karpinski、Viral B. Shah、Alan Edelmanらによって開発され、2012年に公開されました。名前の由来について、開発者の一人であるStefan Karpinski氏は「特に深い理由はなく、響きの良い名前だと思っただけ」と述べており、特定の人物にちなんだものではないとされています。
Juliaの主な特徴は、以下のとおりです。
- 高速性: Juliaは、CやFortranに匹敵する高速な処理が可能です。
- 柔軟性: Juliaは、動的型付け言語であり、Pythonのような高水準のプログラミング言語と同じように書くことができます。
- 並列処理: Juliaは、分散処理、並列処理をサポートしており、高速な並列計算が可能です。
- オープンソース: Juliaは、オープンソースであり、誰でも自由に使用、変更、再配布することができます。
Juliaは、科学技術計算分野での使用が多いため、研究者、データサイエンティスト、エンジニア、研究機関、大学、企業などで使用されています。ここからは、こうした特徴を持つJuliaが具体的にPythonとどう違うのかを見た上で、実際にUbuntuへインストールする手順を紹介します。
Julia 言語 vs Python言語
以下にPythonとJuliaの比較を述べます。
| 鍵名 | Python | Julia | 詳細 |
|---|---|---|---|
| 実行速度 | △ | ◎ | JuliaはPythonより20倍速い |
| ライブラリ | ◎ | △ | Pythonが現在圧倒的に多い |
| 外部連携 | ◎ | △ | Juliaは連携不足 |
| 言語習得性 | ○ | ◎ | JuliaよりPythonより簡単 |
Juliaプログラムのインストール方法
本記事は、Ubuntu 22.04 LTS・24.04 LTS・26.04 LTSでの利用を想定しています。以下のコマンドで、お使いの環境のバージョンを確認できます。
% lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description: Ubuntu 24.04.2 LTS
Release: 24.04
Codename: nobleJulia公式サイトは現在、juliaupというインストーラー兼バージョン管理ツールを使ったインストールを推奨しています。juliaupを使うと、最新の安定版のインストールだけでなく、バージョンの切り替えや更新通知まで一括で管理できます。
juliaupを使うメリット
- 公式が現在推奨している標準のインストール方法
- 複数バージョンのJuliaをインストールし、切り替えながら利用できる
- 新しいJuliaがリリースされると通知してくれる
以下のコマンドでjuliaupをインストールします。
curl -fsSL https://install.julialang.org | sh画面の指示に従って進めると、最新の安定版Juliaが自動的にインストールされます。インストール後は、一度ターミナルを開き直してください。
インストールが正しく完了しているかは、以下のコマンドで確認できます。
julia --versionバージョン番号が表示されれば、インストールは完了です。続けてjuliaとだけ入力すると、Julia REPL(対話型の実行環境)が起動します。
juliaREPL内で以下のように入力すると、より詳しい環境情報を確認できます。
versioninfo()Juliaプログラムを書いて実行してみる
Juliaプログラムは、「.jl」拡張子を持つテキストファイルに保存されます。ファイルの最初には、コメントやモジュール名などのメタ情報が記述されることがあります。それ以降に、Juliaのコードが書かれます。
以下は、Hello, World!を表示するJuliaプログラムの例です。任意のエディタでhello.jlという名前で保存してください。
# Hello, World!を表示するプログラム
println("Hello, World!")保存したファイルは、先ほどインストールしたjuliaコマンドの引数に渡すことで実行できます。
julia hello.jlターミナルに「Hello, World!」と表示されれば成功です。先ほど紹介したJulia REPLに直接貼り付けて実行することもできます。
Juliaプログラムでは、行末にセミコロンをつけなくても良く、改行だけで文の区切りを表します。また、コードブロックを{}で囲む必要もありません。制御構造は、if文、for文、while文などがあります。関数の定義には、functionキーワードが使われます。
# 関数の定義
function add(x, y)
return x + y
end
# 関数の呼び出し
println(add(2, 3)) # 5を表示こちらも同様にadd.jlのようなファイルに保存し、julia add.jlで実行するか、REPLに直接貼り付けて動作を確認できます。
julia言語には、多くの統計解析や科学技術計算に必要なライブラリが含まれています。これらのライブラリを使用するには、Pkgパッケージマネージャを使用してインストールする必要があります。また、機械学習やディープラーニングなどの分野に特化したライブラリもあります。
まとめ
本記事では、公式の推奨インストーラーであるjuliaupを使ったJuliaプログラムのインストール方法と、簡単なプログラムの書き方・実行方法をご紹介しました。
- juliaupを使うことで、最新版のインストールからバージョン管理までまとめて行える
- JuliaはPythonと比べて実行速度に優れる一方、ライブラリの豊富さはPythonに軍配が上がる
- 作成した
.jlファイルはjulia ファイル名.jlで実行、またはREPLに直接貼り付けても動作確認できる
次回の記事をご期待下さい。どうぞよろしくお願いいたします。
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