DNSサーバー構築の全て!BINDを使ったドメインサーバー設定ガイド

DNS サーバー
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概要

本記事では、DNSとドメインサーバーの基礎からBINDを使ったインストール・設定方法までを解説します。初心者向けに手順を詳しく紹介し、ドメイン名とIPアドレスの紐付けの基本も理解できる内容となっています。

管理人

本記事の読者層は以下の方を想定しています。

本記事の読者層
  • DNSやサーバーの初心者、ネットワーク構築を始めたばかりのユーザー
  • サーバー管理者やエンジニア、ネットワークの構築や運用に興味のある方
  • サーバーやDNSを深く理解したい技術者、インフラエンジニア、上級者向け
目次

DNS(ドメインネームサーバー)とは?

ドメインネームサーバー(DNS)は、インターネット上でドメイン名とIPアドレスを関連付けるシステムです。簡単に言えば、DNSは「インターネットの電話帳」のような役割を果たしており、ユーザーが入力したドメイン名(例:www.example.com)を、実際のサーバーのIPアドレスに変換します。

DNSがなければ、ユーザーはWebサイトにアクセスするたびに、数字の羅列であるIPアドレスを直接覚えなければなりません。例えば、Googleにアクセスする際には「8.8.8.8」と入力する代わりに、覚えやすい「google.com」を入力するだけで済むのです。この便利なシステムのおかげで、インターネットは使いやすくなっています。

DNSの基本的な仕組み

DNSサーバーは以下のステップで動作します。

  1. クライアントのリクエスト:ユーザーがWebブラウザにドメイン名を入力します。
  2. DNSのクエリ:クライアントのコンピュータが最寄りのDNSサーバーに問い合わせを行います。
  3. IPアドレスの取得:DNSサーバーは、ドメイン名に対応するIPアドレスを検索し、クライアントに返します。
  4. Webサーバーへの接続:クライアントは取得したIPアドレスを使ってWebサーバーに接続し、ページを表示します。

Google Public DNSの利用例

Google Public DNSの設定手順

PCやスマートフォンでGoogle Public DNSを利用する場合、次のように設定します。

  1. Windowsの場合
    • コントロールパネルから「ネットワークと共有センター」を開きます。
    • 「アダプターの設定の変更」をクリック。
    • 使用しているネットワーク接続を右クリックし、プロパティを選択します。
    • 「インターネット プロトコル バージョン4 (TCP/IPv4)」を選択し、プロパティをクリック。
    • 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択し、「8.8.8.8」と「8.8.4.4」を入力します。
  2. Macの場合
    • 「システム環境設定」から「ネットワーク」を開きます。
    • 使用しているネットワーク接続を選択し、「詳細」をクリック。
    • 「DNS」タブを選択し、+ボタンで「8.8.8.8」と「8.8.4.4」を追加します。

この設定により、GoogleのDNSサーバーを通じてインターネット接続を行うことが可能になります。

Google Public DNSを確認下さい。

ドメインサーバーはどのように利用されているの?

ドメインは、インターネット上での住所のような役割を果たしており、DNSを通じてドメイン名がIPアドレスに変換されます。このドメインとDNSの関連付けにより、ユーザーは複雑なIPアドレスを覚える必要がなく、簡単にWebサイトにアクセスできるようになっています。

ドメインサーバー(DNSサーバー)は、この変換プロセスを担当するサーバーであり、日々大量のクエリ(問い合わせ)を処理しています。たとえば、GoogleのDNSサーバーは1日当たり4,000億件以上のクエリを処理していると言われています。

DNSサーバーの管理方法

ドメインサーバーを自分で管理する方法はいくつかありますが、その一つがBINDを使用したDNSサーバーの構築です。BIND(Berkeley Internet Name Domain)は、最も広く使用されているDNSサーバーソフトウェアの一つで、主にLinux環境で動作します。BINDはオープンソースで提供されており、誰でも自由に使用・カスタマイズできます。

本記事は、このBINDについて紹介します。

BINDとは?

BIND(Berkeley Internet Name Domain)は、世界で最も広く使われているDNSサーバーソフトウェアの一つです。BINDはオープンソースで提供されており、Unix系のOS(特にLinuxやBSD系)をはじめとする多くのプラットフォームで動作します。DNSサーバーとしての安定性と拡張性が高く、大規模なネットワークやインターネットの基盤となるインフラとしても採用されています。

BINDの特徴

  1. 安定性と信頼性
    長年の開発と利用実績により、BINDは高い安定性と信頼性を持っています。特に大規模なネットワーク環境やISP(インターネットサービスプロバイダ)で多く利用されています。
  2. 柔軟なカスタマイズ
    BINDは、ユーザーが設定ファイルを通じて細かなカスタマイズを行うことが可能です。ゾーンファイルの管理や、DNSレコードの追加・変更を手動で行うことができ、非常に柔軟な運用が可能です。
  3. セキュリティ機能
    BINDは、DNSSEC(DNS Security Extensions)やACL(アクセス制御リスト)といったセキュリティ機能も提供しており、DNSキャッシュポイズニングや不正なアクセスからDNSサーバーを保護することができます。
  4. 広範なプロトコルサポート
    BINDは、IPv4とIPv6、正引き(ドメイン名からIPアドレスを解決)と逆引き(IPアドレスからドメイン名を解決)、DNSSECなど、現代のインターネットで必要とされる幅広いプロトコルや機能をサポートしています。

今回は以下のBINDを利用した方法を紹介します。

BIND

https://www.isc.org/bind/

を利用してカスタマイズを行っています。

BINDは一時期BIND10の開発が行われていましたが、現在開発が難航しており中断されています。現在はBIND9が広く利用されている状況です。

BINDを使用したDNSサーバー構築手順

BINDのインストール

Ubuntu環境でBIND9をインストールする場合、以下のコマンドを実行します。

sudo apt-get install bind9

これでbind9のインストールが完了です。以下で設定を行います。容量は2MBほどです。

BINDのバージョン確認方法

以下のようにBIND(named)のパスの場所を確認します。

$ ps awux | grep -v grep | grep named
bind        1865  0.5  0.4 5758024 285448 ?      Ssl  08:21   0:00 /usr/sbin/named -f -u bind

ここからバージョンを確認するとBINDは9.16.48であることが分かります。

$ /usr/sbin/named -v
BIND 9.16.48-Ubuntu (Extended Support Version) <id:0dab57e>

BINDの設定ファイルの確認

BINDの設定ファイルは「/etc/bind」ディレクトリに保存されています。主要な設定ファイルには、以下のものがあります。

$ cd /etc/bind

$ ls
bind.keys  db.empty    named.conf.default-zones  zones.rfc1918
db.0       db.local    named.conf.local
db.127     db.root     named.conf.options
db.255     named.conf  rndc.key

特に「named.conf」は、BINDの基本設定が記述されている重要なファイルです。

■named.conf.default-zonesの内容

rs Tools Conf Help
// prime the server with knowledge of the root servers
zone "." {
        type hint;
        file "/etc/bind/db.root";
};

// be authoritative for the localhost forward and reverse zones, and for
// broadcast zones as per RFC 1912

zone "localhost" {
        type master;
        file "/etc/bind/db.local";
};

zone "127.in-addr.arpa" {
        type master;
        file "/etc/bind/db.127";
};

zone "0.in-addr.arpa" {
        type master;
        file "/etc/bind/db.0";
};

zone "255.in-addr.arpa" {
        type master;
        file "/etc/bind/db.255";
};

最後のところに、追加するドメイン名をzone “○○” の部分はに指定します。

素にしたにzoneのファイルが保存されている場所を指定します。

正引きと逆引きの設定

DNSサーバーには、「正引き」(ドメイン名からIPアドレスを取得)と「逆引き」(IPアドレスからドメイン名を取得)という2つの主要な機能があります。これらの設定は「zone」ファイルで行います。

正引きの設定

zone "example.com" {
    type master;
    file "/etc/bind/db.example.com";
};

逆引きの設定

zone "1.168.192.in-addr.arpa" {
    type master;
    file "/etc/bind/db.192";
};

DNSの確認方法

DNSを確認するには、「DNS checker」があります。

https://dnschecker.org/

BINDの再起動

設定を保存した後、BINDを再起動して変更を反映させます。

$ sudo systemctl restart bind9

DNSサーバーのセキュリティ

DNSサーバーは、インターネットの基盤を支える重要な役割を担っているため、セキュリティ対策が不可欠です。DNSキャッシュポイズニングやDDoS攻撃など、DNSサーバーを狙ったサイバー攻撃が頻繁に発生しているため、セキュリティ強化は常に考慮すべき点です。

セキュリティ対策の例

  1. DNSSECの導入
    DNSSEC(DNS Security Extensions)は、DNSの脆弱性を補うための拡張機能で、ドメイン名とIPアドレスの対応が正しいことを確認するための署名を提供します。
  2. アクセス制限
    DNSサーバーへの不正アクセスを防ぐために、IPアドレスによるアクセス制限を設定することが推奨されます。
  3. ログの監視
    DNSサーバーのログを定期的に監視し、不審なトラフィックやクエリの動向を把握することが重要です。

まとめ

本記事のまとめ

次回の記事をご期待下さい。どうぞよろしくお願いいたします。

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