本記事では、M1チップ搭載のmacOSで仮想環境プラットフォーム「Docker」をインストールする方法を紹介します。インストールするDockerツールは個人利用の「Docker Desktop」 無料版を使用します。同時にDocker-composeのインストール方法も紹介します。
「Docker Desktop for Mac」とは
「Docker」とはコンテナという仮想環境を使いアプリケーション環境を整えることができる機能を備えたアプリケーションです。Linux上でのhttp環境やMySQL環境、php環境などがすでに構築されたものを簡単に自分のサーバー上で利用することができるようになっています。
詳細は、LinuxでのDockerのインストールは以下記事をご参照下さい。
現在では、DockerはLinuxだけでなく他のOSでも利用できるようになっています。Windowsはもちろん、macOSもUnix系OSのため、Linux環境と相性が良く同様にDockerを利用することが出来ます。同様なデスクトップ環境として「Rancher Desktop」というものもあります。本記事では、macOSにインストール可能なDocker、すなわち「Docker Desktop for Mac」のインストール方法について以下で解説致します。
今回使用したインストール環境は以下の通りです。
- Docker Desktop for mac (M1チップ搭載macOS Monterey memory 16GB、macOS Ventura)
バージョン 20.21
「Docker Desktop for Mac」のインストール
Docker Desktop for Macをインストールします。
以下のURLをクリックください。
https://docs.docker.com/desktop/install/mac-install/
すると、以下のような画面が現れます。
現在macOSはintel mac 用と M1チップ搭載用があり、今回はM1チップ搭載mac用でインストールを行います。
①以下で「Mac with Apple silicon」を選択します。
②ダウンロード後に、次の手順mにしたがってインストールしてください。
- ダブルクリック
Docker.dmg
してインストーラーを開き、Docker アイコンを Applications フォルダーにドラッグします。 - Applicationsフォルダーをダブルクリック
Docker.app
して、Docker を起動します。 - Docker メニュー ( ) は、Docker Subscription Service Agreement ウィンドウを表示します。
- [同意する] を選択して続行します。条件に同意すると、Docker Desktop が起動します。
「Docker Desktop for Mac」の使用にはmacOSのバージョンは10.15以降である必要があります。
macOS Catalina (10.15)、macOS Big Sur (10.16)、および macOS Monterey (10.17)、macOS Ventura (10.18) の4つのバージョンで利用が可能です。
「Docker Desktop」 (windows/mac)の使用条件
Docker をwindowsやmacに直接インストールできる「Docker Desktop」は無料のLinuxのDockerと異なり有料ツールです。
このため、使用には以下の条件が必要となります。
Docker 有料化の回避対策
DockerはLinuxなどのオープンソフト用のものですが、有料WindowsやmacOSで扱えるようにするといろんなしがらみがあるのでしょうね。個人で使用している分には問題ないのでしょうが、企業の場合ですと有料化の回避対策として、現時点はmacOSにエミュレーターでlinuxを搭載させるか、Windowsの場合は、以下の記事で紹介しているWSL2を利用するかだと思います。
コマンドラインからのインストール:イメージファイルのマウント
Dockerのイメージ「Docker.img」をデスクトップに保存されているのであれば、
% cd desktop
としてから、以下のコマンドをmacOSのターミナルから実行します。
% sudo hdiutil attach Docker.dmg
% sudo /Volumes/Docker/Docker.app/Contents/MacOS/install
% sudo hdiutil detach /Volumes/Docker
その後、Dockerをアプリケーションフォルダにコピーすれば、終了です。
Dockerの立ち上げ
次に、以下のようなスクリーンが表示された後、OKをクリック後パスワードを入力します。
すると、以下のようにバックグランド項目が追加されましたとメッセージがでます。
更に、Docker Subscription Service Agreementにて「Accept」をクリックすると以下のような画面になります。
①中央の真ん中にある「Docker run –name….」をクリックして左側にあるコマンドラインが進んだ後、NextStepを押します。ここではDockerをBuild用に必要なパッケージをダウンロードします。
②Buildでは、Dockerイメージをビルドします。中央青の「cd getting-started…」をクリックして、コマンドラインが進んだ後、またNextStepボタンを押します。
③RunではビルドしたDockerを実行します。中央青のボタン「Docker ru n -d -p 80:80…」をクリックしてNextStepのボタンを押します。
④Shareでは、自信のイメージをDockerHubとして保存します。
すると、Dockerが立ち上がります。下記ではコンテナの中身が見えるようになっています。
最後にターミナル上でもversion情報も確認しておきます。
現在の最新バージョン version 20.10.21 (2022年12月現在) がインストールされています。
% docker --version
Docker version 20.10.21, build baeda1f
更に詳しいversion情報も「docker version」コマンドで確認できます。
OSはM1 macを反映させてlinux/arm64となっていることが確認できます。
% docker version
Client:
Cloud integration: v1.0.29
Version: 20.10.21
API version: 1.41
Go version: go1.18.7
Git commit: baeda1f
Built: Tue Oct 25 18:01:18 2022
OS/Arch: darwin/arm64
Context: default
Experimental: true
Server: Docker Desktop 4.14.1 (91661)
Engine:
Version: 20.10.21
API version: 1.41 (minimum version 1.12)
Go version: go1.18.7
Git commit: 3056208
Built: Tue Oct 25 17:59:41 2022
OS/Arch: linux/arm64
Experimental: false
containerd:
Version: 1.6.9
GitCommit: 1c90a442489720eec95342e1789ee8a5e1b9536f
runc:
Version: 1.1.4
GitCommit: v1.1.4-0-g5fd4c4d
docker-init:
Version: 0.19.0
GitCommit: de40ad0
Docker用常駐ツール
「Docker Desktop for Mac」はmacOSの常駐ソフトとして動いているため、画面上タスクバーに鯨のマークの常駐アイコンがあります。Dockerの停止にはtタスクバーのDockerマークをクリックしてプルダウンメニューが現れたら「Quit Docker Desktop」をクリックし終了させてください。これでDockerを終了させることが出来ます。
os再起動後に「Docker Desktop for Mac」を立ち上げ常駐させるためには、preferencesをクリックし、下図のGeneralの真下にある「Start Docker Desktop when you log in」にボタンをいれておきましょう。
(*) これで、Docker composeも立ち上がり自動的に設定済みのサーバーも立ち上がります。
M1 macOSの docker-composeの利用方法
「Docker compose」は複数のコンテナで構成されるアプリケーションをDockerで簡単に利用するために、Dockerイメージのビルドや各コンテナの起動・停止などを行うことができるオーケストレーション型のツールです。
「Docker compose」をインストールすることで複数のサーバーアプリを仮想的にインストールでき、nextcloudやwordpressなどもインストールできるようになります。
M1 macOSでdocker-composeを利用する方法については以下の記述をご参照ください。
まとめ
「Docker Desktop for mac」をインストールすることで、個人ユーザーであればmacOSでDockerが無料で利用可能です。
「Docker Desktop for mac」をインストールすることで「docker-compose」も同時にインストール出来ます。
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