サーバー運用には最初にネットワークへの接続が必要です。IPアドレスの設定は最初に行うべき設定項目の1つです。ここでは、ubuntu16.04以降で導入されたnetplanを使用してIPアドレスを設定する方法をCUIベースで解説します。
本記事の読者層は以下の方を想定しています。
- サーバーのIPアドレスを変更したい方
- UbuntuのNetplanを利用したい方
ubuntuサーバーのネットワーク初期設定
サーバーに割り当てるIPアドレスとしては、固定IPアドレスを割り当てるのが一般的ですが、今回はイントラネットワーク内にサーバーがある場合(ルーター経由でポートフォーワーディング等でアクセスするサーバーが内部にある場合)として、プライベートIPアドレスを割り振る場合について解説致します。
Ubuntuのネットワーク設定
Ubuntu では LTS 14.04以前とLTS 16.04以降では、ネットワーク設定が大きく異なります。
Ubuntu14.04 LTS 以前のネットワーク構成
Ubuntu14.04以前に利用されていた以下のネットワーク設定は以下の場所にIPアドレス・ネットワーク機器の設定を行っていました。
- /etc/network/interfaces
Ubuntu16.04 LTS 以降のネットワーク構成
Ubuntu LTS 16.04以降では、代わりに「netplan」というコマンドを利用します。
Ubuntsu18.04LTS以降では、ネットワークユーティリティー「netplan」(https://netplan.io/) にてネットワーク設定ができるようになりました。このネットワーク設定は、「YAML (YAML Ain’t a Markup Language) 形式」で記述するようになっています。
Netplanとは
Netplanでは、networkdデーモンまたはNetworkManagerの両方を介してネットワーク構成が可能です。networkdデーモンは主にサーバー構成に使用され、NetworkManagerはGUIユーザーによって使用されます。
IPアドレス設定の際には、ホスト名の設定と同時に行うのが理想です。
以下、Ubuntuでのホスト名の設定方法を下記にまとめてありますので、ご参照ください。
Ubuntuのnetplanの使用
このnetplan設定ファイルの場所はUbuntu Linuxでは/etc/netplan/
配置されています。
その他、以下にも配置できる場所があります。
ネットワークで使用するには、各インターフェイスを/etc/netplan
のファイルに指定する必要があります。
/etc/netplan/*.yaml
の中身
- 01-netcfg.yaml
- 01-network-manager-all.yaml
- 50-cloud-init.yaml
設定ファイルは最初の二桁の数字が高い方から優先的に設定されます。このため99-XXXX.yamlが最優先に設定されます。
これが、「/etc/network/interfaces」設定の代わりとなります。
Ubuntu16.04以降のバージョンアップにともない設定ファイルがない場合には、以下のコマンドを実行することで適切な.yamlファイルを生成してくれます。
$ sudo netplan generate
設定する場合の「.yaml」ファイルの中身です。
network interface : enp0s3
static IP address : 192.168.0.22
gateway :192.168.0.1
DNS server : 8.8.8.8
and 8.8.4.4
①network interfaceの名前は、「ifconfig -a」コマンドにてどの機器を使用したら良いかご確認ください。
②プライベートIPアドレスは他のコンピューターと重複しないように割り当てたいアドレスを選んでください。
③gatewayアドレスは、自身のルーターのアドレスとなります。
④DNSサーバーはgoogleのパブリックDNSを利用します。
Google パブリック DNSは、IPv4 の IP アドレスを2つ持っており、8.8.8.8 はプライマリ DNS、8.8.4.4 はセカンダリ DNS です。Google DNS サービスは無料で、インターネットにアクセスできる人なら誰でも使用できます。
# Let NetworkManager manage all devices on this system
network:
version: 2
renderer: NetworkManager
ethernets:
enp0s3:
addresses:
- 192.168.0.22/24
gateway4: 192.168.0.1
nameservers:
addresses:
- 192.168.0.1
- 8.8.8.8
この構成は、システム上のすべてのネットワークインターフェイスがNetworkManagerによって管理されるように設定するものです。
.yamlのファイル名について
ここで、.yamlのファイル名を99-○○.yamlとしましたが、最初の2桁の番号のうち、一番大きい数字のものがネットワーク設定で反映されます。
準備ができたら次のコマンドを実行して設定ファイルを反映させます。
$ netplan apply
: レンダラーのすべての設定を適用し、必要に応じてコンピューターを再起動します。
コンピューターの再起動のコマンドは
$ sudo restart -r now
仮にに問題が生じるようであれば、
$ sudo netplan --debug apply
を適用するとさらに情報が表示されるのでエラーの原因がわかったりします。
プライベートIPアドレス
【補足】今回は、プライベートIPアドレスの設定だけでしたが、固定IPアドレスを契約した際には、プライベートIPアドレスの部分を固定IPアドレスとして設定ください。
イントラネット内のIPアドレス (プライベートIPアドレス)は以下の範囲が割り当てられています。
10.0.0.0-10.255.255.255 |
172.16.0.0-172.31.255.255 |
192.168.0.0-192.168.255.255 |
また、固定IPアドレスを契約せずとも独自ドメイン名を運用したい場合には、以下の記事をご参照ください。
まとめ
Ubuntu18.04LTSでは「/etc/network/interfaces」から「netplan」コマンドによりIPアドレスの設定を行うようになった。
- etplanは
「/etc/netplan/*.yaml
」内の設定ファイルをします。
次回の記事をご期待下さい。どうぞよろしくお願いいたします。
コメント