Dockerイメージのビルドや各コンテナの起動・停止などを簡単に行うことができるオーケストレーション型のツールとしてDocker composeが知られています。この最新版Docker compose v2をUbuntu Linuxにインストールする方法を紹介します。また、最新版へのアップグレード手順もご紹介します。
Docker compose とは?
「Docker compose」は複数のコンテナで構成されるアプリケーションをDockerで利用するために用いられます。
これにより複数のDockerイメージのビルドや各コンテナの起動・停止などを簡単に行うことができるオーケストレーション型のツールです。
DockerとDocker composeの違い
Dockerは個々のコンテナの作成と管理に焦点を当てていますが、Docker Composeは複数のコンテナを効率的に管理し、それらの間で相互依存する環境を提供します。
Dockerの利用環境
Dockerの利用環境は、Linux以外にもwindowsやmacOSへのインストールも可能です。
Dockerが利用できる環境
- ①Windows
- ②macOS
- ③Linux(Ubuntu)
①WindowsOSへDocker composeをインストールする場合は次の記事をご参照下さい。
②macOSへのDocker composeをインストールする場合は次の記事をご参照下さい。
本記事では、③Ubuntu Linuxへ「Docker compose」をインストールする方法を解説します。
本記事は以下の環境を想定します。
- Docker (Ubuntu 18.04/20.04/22.04 LTS)
バージョン 20.10.21 - Docker compose
バージョン 2.2.3
最新版Docker compose v2のインストール方法
既にDocker がLinux ubuntu OSにインストールされている状況からのインストール手順になります。
Linux Ubuntuへ「Docker」をインストールする手順に関しては以下の記事をご参照ください。
Docker-composeのインストール方法
【1】最初にDocker composeがインストールされていないことを以下のコマンドで確認します。
$ docker compose
docker: 'compose' is not a docker command.
See 'docker --help'
これで、composeコマンドはこの時点では利用できません。
【2】次にcompose用のフォルダを/.docker/cli-plugins/に作成します。(自身のユーザーディレクトリ直下にフォルダが出来ます。)
$ mkdir -p ~/.docker/cli-plugins/
【3】次にDocker composeをインストールします。
仮にcurlがインストールされていない場合は apt-get install curlにて事前にインストールください。
$ curl -SL https://github.com/docker/compose/releases/download/v2.2.3/docker-compose-linux-x86_64 -o ~/.docker/cli-plugins/docker-compose
% Total % Received % Xferd Average Speed Time Time Time Current
Dload Upload Total Spent Left Speed
0 0 0 0 0 0 0 0 --:--:-- --:--:-- --:--:-- 0
100 23.5M 100 23.5M 0 0 1940k 0 0:00:12 0:00:12 --:--:-- 993k
ここでv2.2.3をインストールしていますが、
現在の最新版はv2.25.0 (2024年3月現在) です。
最新版のバージョン情報はhttps://github.com/docker/compose/releasesから確認ください。Docker-composeは2-3週間に一度ほどという速さで頻繁更新されています。
【4】次にDocker-composeの属性を変更し、フォルダ内で実行できるようにします。
$ chmod +x ~/.docker/cli-plugins/docker-compose
【5】Docker composeのバージョンを確認しておきます。
$ docker compose version
Docker Compose version v2.25.0
これでLinuxでdocker compose が利用できるようになりました。
コマンドは「docker compose」でも「docker-compose」でも両方利用できるようになっています。
% docker compose version
Docker Compose version v2.25.0
% docker-compose version
Docker Compose version v2.25.0
Docker-composeの最新版(最新バージョン)へのアップグレード方法
仮にDocker composeの古いバージョンをインストールしてしまった場合でも安心して下さい。以下の手続きを踏めば、古いバージョンから最新バージョンへバージョンアップ出来ます。
①次ようバージョン番号を書き直して再インストールすれば問題ありません。
% curl -SL https://github.com/docker/compose/releases/download/v2.14.2/docker-compose-linux-x86_64 -o ~/.docker/cli-plugins/docker-compose
% Total % Received % Xferd Average Speed Time Time Time Current
Dload Upload Total Spent Left Speed
0 0 0 0 0 0 0 0 --:--:-- 0:00:01 --:--:-- 0
50 42.8M 50 21.6M 0 0 311k 0 0:02:20 0:01:10 0:01:10 386k
100 42.8M 100 42.8M 0 0 464k 0 0:01:34 0:01:34 --:--:-- 1298k
docker-composeは、ユーザーディレクトリの/.dockerの下にインストールされます。ユーザーディレクトリのため、実行可能権限の変更といった手間は必要ありませんでした。
②バージョン情報に問題ないかをバージョン情報から確認してみます。
% docker compose version
Docker Compose version v2.14.2
Docker-composeのアンインストール
アンインストールも以下のように「.docker」フォルダごと削除すれば問題ありません。
$ sudo rm -rf ~/.docker
Docker composeの基本コマンドの使い方ならびに環境変数の利用方法
Docker composeを利用した様々なサーバー構築例は以下の記事を参照下さい。
■Docker composeでNextcloud+mySQL環境のクラウドストレージを運用する方法
■Docker composeでwordpress+mySQL環境のブログサーバーを運用する方法
まとめ
本記事のまとめは、
コメント